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こちら「猫の爪」相談所

● 猫の爪って?

我々猫の爪は前足に5本、後足に4本ずつあります。普段は引っ込んでいますが、獲物を捕まえようとする時や木に登る時に、鋭い爪がパッと飛び出る仕組みになっています。なぜ爪を引っ込めて隠しているのかって、それは鋭さを保つためと、足音を消すためです。完全に引っ込まない後足の爪は、前足に比べて鋭さはありませんが、獲物を襲ったり、蹴る時に力を発揮します。もちろん逃げる時の木登りに、この爪が大活躍するのです。

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● どうして猫は爪をとぐの?

今まで「猫は爪をといでいる」と言われていますが、実際は「爪で引っ掻き傷と足の裏の匂いをつけ」自分の存在をアピールしているTマーキング行動Uなのです。我々が引っ掻いている対象物を思い出してください。比較的軟らかい材質の柱・壁・木製の家具、「ふすま」やソファーなどを引っ掻いているでしょ。それらは、「前足の堅く鋭い爪」をと磨できるほどの素材ではありません。たまたま爪がひっかかって傷がついているだけで、けっして爪をといでいるわけではないのです。我々の「ひっかき行動」は、家の中や出入口に近い屋外など自分のテリトリー内で行います。

しかし引っ掻くことで、もろくなった古い爪が剥がれ落ち、新しい鋭い爪に交換されたりします。猫が引っ掻いた場所を観察してみると、抜け落ちた古い爪のかけらを見つけることができます。でも猫は歯で古い爪を取ることもできるので、爪の状態を保つために必ず爪とぎが必要というわけではないのです。

我々の引っ掻き行動は、猫の縄張り意識からであると理解してくださいね。例えば、よその猫が家に近づいてきたりすれば、本能的に縄張り意識を行動で表現したりします。その際の引っ掻く対象は、垂直に目立った、感触の良いものを選びます。だから部屋の中で目につく、柱や壁やイスやソファの角が、引っ掻く対象となってしまうのです。我々は引っ掻くと同時に臭いを付けているので、一度引っ掻くと、ずぅ~っと同じ所ばかりを引っ掻かくようになります。

飼い主の皆様にはいろいろご迷惑をおかけしていると思いますが、猫の本能ということをご理解いただき、どうか温かく見守ってやってください。近年、ストレス解消のため、あるいは興奮を押さえるために引っ掻く仲間も増えています。猫にとっても暮らしにくい世の中になってきましたが、いずれにしても、けっしてやめさせようなんて思わないで、然るべき対処法でご対応ください。

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●仔猫への接し方

仔猫は、爪を鞘に納める訓練がマスターできていません。おとなになれば、やんわりと飼い主の膝の上に乗ってきて爪を立てることもなくなるのですが、仔猫のうちは、その加減がわからないため、時には爪を出したまま飛び乗ってくることがあります。仔猫とつきあうには、仔猫が現在どの程度の学習をしているか、よ〜く注意してください。痛いからといって、爪を剥いでしまおうなんて絶対に思わないでください。

抜爪手術で猫の爪をとるということは、人間でたとえるなら、すべての指の第一関節をとってしまうようなものです。猫の爪は靭帯と腱につながっているので、猫の運動能力そのものを奪います。しかも術後、傷口が回復するまで四本の脚すべてで自分の身体を支えなければなりません。もちろん回復しても、靱帯と腱の働きを損なうので、跳躍したり歩いたりすることができなくなります。猫の爪を剥いでしまうことは、猫が生きていくための能力を奪うってこと、ご理解ください。

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●引っ掻く場所と対策

我々猫は引っ掻くために、身近にある引っ掻き易そうなものに狙いを定めます。それは、家の柱・壁、畳、家具、カーペットにソファーと様々です。爪とぎの被害を防ぐためには、引っ掛けないようにツルツルしたものを貼り付けるとか、猫が狙いをつけたもの以上に引っ掻き心地の良い「爪とぎ器」を用意することです。

市販の「爪とぎ器」は、段ボール、カーペット、天然の木、麻など、猫が好みそうな素材が揃っていますが、猫によって好みは異なります。いくつかの種類を使ってみて、猫が一番気に入ったものを与えてやってください。また市販のものを参考に、自分で手作りされうのもいいでしょう。少し柔らかく、表面がガサガサしていて、爪が引っかかるような感触の「爪とぎ器」が大好きです。

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●柱や壁への対策

猫が一番引っ掻く場所として多いのが、柱と壁です。硬さ、感触、存在感がマーキングをする猫にとって申し分のない存在だからです。対策としては、引っ掻けないように、表面がツルツルした、ある程度厚みのあるビニールのような材質で被ってしまうのが効果的です。『柱カバーニャン』なら手間もかからず、柱や壁にピタッと貼り付けられて、見た目はツルツル光った感じはしますが、それほど気になりません。しかも素材はPET (ポリエチレンテレフタレート)。PET はあのペットボトルの材料で、食品に使われるほど安全な材料ですから、ペットや人にも安心です。

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●壁紙への対策

壁紙はザラザラしていて、ついつい引っ掻きたくなります。専用の「爪とぎ器」を用意してもらっても、どうしても壁紙で爪とぎしてしまう奴もいます。対策としてはいくつかありますが、まず一つは、猫よけスプレーを使用することです。ただし、猫よけスプレーは「効果が持続する時間が短い」「ニオイに慣れてしまって効果が薄い」「製品によっては効果の低いものがある」「飼い主の方がクサイと感じる」など、欠点もあります。爪とぎしてほしくない場所に、毎日一回スプレーしておくと、少しの効果はあると思います。

次の対策としては、家の壁紙と同種の壁紙を用意し、段ボール等に張り付け、これを引っ掻く部分に巻き付けたり、画びょう等で止めるといった方法です。部屋と同じ壁紙を手に入れることができるなら、さほど目立ちませんし、ボロボロになってもまた同じ物を作れば…というメリットがあります。しかしこの方法では、「部屋と同じ壁紙を入手するのが困難」「作るのが大変」「抜本的な対策になってない」といった欠点が多いようです。

三つ目の対策としては、もっと手軽にできるものということで、透明のシートを張り付けるという方法です。『柱カバーニャン』なら前の対策に比べて、同じ壁紙を捜す手間や、段ボールに張り付ける手間が入らない分、かなり楽です。また壁にピタッと貼り付けられるので、見た目もそれほど気にならないはずです。しかも素材にPETを使っているのでペットにも安全です。『柱カバーニャン』を張り付けた近くに市販の「爪とぎ器」を置いてやれば、そこを集中して引っ掻くという効果も期待できます。でも『柱カバーニャン』を貼り付ける前に、壁紙の補修と「爪とぎ器」の購入をお忘れなく!(*壁紙は簡単な補修は、ホームセンター等に壁紙補修キットなる物が売ってあるのでこれを使用すると便利です)

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●ソファーへの対策

革製のソファーを引っ掻くこともあります。対策としては、カバーを被せるぐらいの方法しか見当がつきません。しかし猫の爪が貫通してしまうため、猫がソファーの上を飛び回ると、ボロボロになってしまいます。さらなる対策として、テーブルクロス用の透明ビニールシートで、タクシーのシートみたいに全部を包んでしまう方法もありますが、ビニールのため「座り心地が悪い」という欠点があります。

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●障子やフスマへの対策

障子やふすまへの引っ掻き行動に対しては、猫に触れさせないようにする以外に方法はありません。例えば、しつけをちゃんと守るようになる、おとなしくなってあまりイタズラをしなくなる、そのようになるまで和室への猫の出入りを禁止にする、といったような思い切った対策を講じてください。

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●「爪とぎ器」のしつけ方

猫が柱や壁・家具など引っ掻いてほしくない場所で爪をとぎ始めたら、すぐに「ダメ!」と大声で叱り、「爪とぎ器」の所に連れて行ってください。しかし叱る時に叩くなどの体罰を与えると恐怖心を増長させるだけで、かえって逆効果になります。「空き缶を叩く」、「水鉄砲で水をかける」など、猫に嫌な思いを与えるというのは効果的な方法です。

はじめは猫を「爪とぎ器」のところへ連れて行って、両前足を持って引っかくように動かし、「爪とぎ器」へ『足の裏』をこすりつけて教えます。自分の足の裏の臭いがつくので、そのうち自分から爪をとぎだすようになります。なかなかやらない場合は、前足の肉球を押して爪を出し、「爪とぎ器」の表面に爪を引っ掛けると良いでしょう。マタタビの粉を「爪とぎ器」にふりかけるのも効果があります。もし柱やソファーの袖あたりで「爪とぎ」をする場合は、その場所に「爪とぎ器」を立てかけて倒れないように固定してみてください。「爪とぎ器」は床の平面に置くより、立てかけておいた方が利用する場合が多いので工夫してください。どんな場合でも猫がうまくできたら、必ず撫でながらほめてあげてくださいね。

猫の爪とぎ(引っ掻き)は、自分の縄張りを示す匂い付けの意味もあるので、「爪とぎ器」はできるだけ移動しないようにしてください。猫が引っ掻き易い場所を見極めましょう。最初に何箇所かに置いて、気に入った場所を絞っていくのも一つの方法です。爪とぎ器がボロボロになったら、早めに新しい物と交換してやってやってください。

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●「爪とぎ器」に慣れさせるには?

爪とぎ(引っ掻き行動)には3つの原則があります。
1)猫は一度ある場所を爪で引っ掻くと、その場所にこだわる傾向がある。
2)爪とぎの対象としては、目立つ物・場所を好む。
3)猫にとって手触りのよい物を選ぶ。
つまり引っ掻きででは、猫は最初の場所を重視します。「爪とぎ器」に慣らすには、家具などを引っ掻きだす前に「爪とぎ器」をあてがうのがベストです。

「爪とぎ器」は、猫がいつもいる場所に設置しましょう。猫はよく、自分の寝床の近くで爪とぎをしますが、これは目が覚めてからすぐにこの行為をするためです。「爪とぎ器」は、幅20〜30センチ、長さ30〜40センチくらいで、後ろ足をあまり伸ばさないで、前足で楽に引っ掻くことのできる高さが理想的です。毎日使うようになるまでは、「爪とぎ器」は目立つ場所に置いてください。

「爪とぎ器」の表面は、猫のお気に入りの材料で被われていなければなりません。市販の「爪とぎ器」の表面はカーペット生地が多いですが、少し丈夫すぎるようです。猫は耐久性のあるものより、使い古した生地で糸が縦軸に長く抜け、爪がよく引っかかる感触が好きです。最初は「爪とぎ器」を猫の気に入る生地で被っておき、十分に慣れたら外してください。猫がちゃんと「爪とぎ器」を使うようになったら、毎日2〜3センチぐらい、少しずつ部屋の隅へ移動していきます。「爪とぎ器」の上にマタタビをつけても、その上に飛び乗ることはあっても猫が「爪とぎ器」に慣れることにはなりません。また人が爪とぎを真似て見せても、猫は覚えません。猫の前足をしっかり持って、パッドを直接「爪とぎ器」に擦り付けてやってください。こうすることでパッドから臭いづけされ、自分でするようになります。

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●猫が爪を抜かれると

爪とぎをさせないために、手術で猫の爪を抜いてしまう人がいますが、これは絶対やめてください。なぜなら爪を抜かれた猫は、もう猫とは言えないからです。手術を受けた猫は動きが鈍くなり、ストレスが溜まって精神的に悪影響が出ます。猫にとって爪は獲物を捕まえる武器だけでなく、生きるために必要なものです。爪がないと木に登ることも、身を守ることもできなくなってしまうのです。猫の猫権(!?)を守るためにも、ゼッタイに抜爪手術をしない!いつまでも思いやりのある優しい飼い主でいてください。

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●爪先なら切ってもいい?

はい。赤ちゃんがいるために猫の爪が怖い、どうしても爪とぎのしつけができない、室内飼いの猫で「爪とぎ器」だけでは爪が伸びすぎる、といった場合には、爪を切っても結構です。ただし爪の先端1〜2mmを専用の爪切りでカットしてやってください。猫の爪は、前足は2週間、後足は3〜4週間ぐらいで、また元の長さに伸びてきます。

しかし放し飼いの猫の場合は違います。けっして爪を切らないでください。なぜなら爪は武器であると同時に、木や塀などに登ったりする時の大切な道具だからです。爪を切られた猫は、爪が使えないことを理解できずに、登れるつもりで木に飛び乗って落ちる、塀に飛びついてズルズル落ちる、車を避けるつもりで事故に遭うなど、まったくイイ事がないからです。

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● 爪の切り方

猫の爪は人間の爪と違って丸くなっているので、人間用のものを使っても切れますが、つぶれてしまいます。必ず猫専用の爪きりを使用してください。専用の爪切りは切り易いように先端が丸くなっていて、爪を傷めることが少ない構造になっています。慣れないと最初は怖がりますが、優しく気遣いながら切ってあげれば徐々に慣れてきます。神経の通っている部分まで切らないように、先端を一週間に一回程度カットしてあげてください。仔猫の時から針のように細くとがった爪の先端を1〜2mm程度切る習慣をつけておくと、ひっかかれて傷を負うこともなくなり安全です。

うっかり爪とぎや爪切りを怠っていると、爪は丸く伸びつづけて、困った猫は自分の歯で手入れをしようとします。その結果、歯と歯の間に爪がはさまって大騒ぎになることもあるので要注意。猫にとって伸びすぎた爪は、不都合で具合の悪いものなのです。

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